駆け抜けた日々

プチ介護 

自分なりに

そんな日々の中でも良い事はあった

 

過去に働いていた特養とは比べて

比較的認知症の方が少ないせいか

 

“ありがとう”

 

と言われる事が多くなった

 

 

それに介護に携われば携わるほど

利用者の方と親密感が増し

世間話もできるようになり

人生の先輩方と話す時間は

とても貴重なものとなった

 

 

それと気難しい性格の利用者の方と

心を打ち解けて話せるようになった時の

充足感など悪いことばかりではなかった

 

 

 

そんな中いつも通り

バイタルチェックに回っていた私

 

穏やかで優しい感じの斉木さん

夫婦で施設に入所しているのだが部屋は別々

旦那様は他の部屋で寝たきりで介護を受けている

 

その斉木さん(奥さん)の部屋を覗くと

車椅子に座って窓の外を眺めている後ろ姿が

とても寂しそうで少しの時間声をかけられなかった

 

 

 

 

 

またいつもの癖が…

 

もしも自分が斉木さんだったら…

 

 

 

 

車椅子で思うように動けない

 

外出もできない

 

好きな時間に好きなものも食べれない

 

時間に拘束される

 

旦那様は寝たきり

 

 

 

 

 

 

 

耐えられる?

 

年を重ねれば

 

耐えられるようになる?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

例えばそこが草原だったとして

 

 

 

私はその中で一輪の花になろうと思った

 

 

 

一人一人と関わる時間を大切にしたかった

 

 

 

何が必要で

 

何で喜んでくれるか

 

 

自分ができる事を探した

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで段々慣れてきた矢先に

異動命令がきた