駆け抜けた日々

プチ介護 

その後

結果的に自分の手術は成功し、 回復も順調で今は何事もなく生活できていた。 しかし、退院後1ヶ月にじぃは 容体が悪化し入院 そしてその数ヶ月後 歩行困難になり、意識もあるのかないのか分からなくなり、次に会えたのは病院からの連絡があった時。もう長く…

終わりに

ここまで思い出すように ざっくり書き起こしたのだが 本当はプチ介護で沢山笑って 沢山面白い事があった事を伝えたかった 文面が淡白のせいか 面白みに欠けてしまった 最後にこのプチ介護を記そうと思ったきっかけは、手術の際の死亡率が1.43%となっている …

やりたい事をやる人生

なんだかんだ言って やりたい事はやってきたのだが 結局自分の事はいつだって後回しだった それに気付くまで だいぶ時間がかかってしまった 自分の軽い病気が発覚したのは3年前 その時に自分の死を改めて意識した 例えばもし 今命が尽きて 棺桶に入った自分…

プチ介護に終わりを告げる日

自分が健康体でなければ 人のお節介さえ焼けない ましてやこれから手術を受ける事になる 意を決して 叔父に介護ができない事を告げた 介護サービスも手続きや施設を探すのに 時間がかかるので即決だった もう明け渡そう 私ここまで恩返しできて幸せだよ 後悔…

激痛

2020年4月のいつかの土曜日 仕事で疲れて午前中いっぱい寝込んでいた ちょうどお昼位に身体に激痛が なんだこれは 動けないし立てない とにかく痛い 救急車を呼ぼうとしたが その頃はコロナも広がっている渦中だった もう一回寝れば治るかもと思い 少し寝て…

状態が悪化

とうとうじぃも 歩く事もままならなくなった トイレも床を這ってやっといける程度 洗濯もお風呂も自力でできなくなり 叔母達と協力しあって洗濯機を回し 週に2.3回お風呂介助を私がやる事になった じぃの身体も弱ってきてガリガリになってしまった 今までは…

じぃの口癖

段々じぃばぁの世話も慣れてきて スムーズに事を回せるようになった頃 じぃは 「りんは命の恩人だ」 と悲しそうに言ってきた 初めて言われた時は そんな大袈裟なとも思ったが グッとくるものがあった ありがとうと言われる度 心が満たさる日々だった うちの…

通帳紛失事件

じぃから通帳の管理を頼まれるようになり 年金受取日にはその都度 郵便局でお金を下ろしに行った そんな中 じぃから通帳の金額チェックを頼まれた いつもの引き出しから 通帳を取り出そうとしたら…… ない… 通帳が まさか? 泥棒? 心当たりがある場所全部探…

初めての喧嘩

じぃは腕時計をなくしたらしく 腕時計を買いに行きたいと言ってきた 他の時計はないのか聞いてみると 最近100均で買った腕時計が 中々腕にハマらなくて ハサミで切ったって でたでた‼︎ 時計がはまらないからってハサミで切るかい? もう使えないじゃないです…

シルバーカー紛失

とある朝 叔父から電話 じぃが深夜に田舎の夜の街を徘徊中 シルバーカーをなくしたと もし時間があれば探して欲しいとの事だった 仕事場に行く途中にじぃ宅があるので 早めに家を出て探しにいった そもそもなぜ徘徊したのか聞いてみると 煎餅と饅頭が食べた…

変質者 

じぃは段々認知症と思われる症状が出てきて 庭の剪定の際脚立から落ちて 軽い怪我をしたり 自転車で買い物に行った際 財布をなくしてきたり 服を裏表反対に着てみたり 色々やらかしてくれる この間は仕事場からじぃ宅へ向かう途中 お菓子のような袋が落ちて…

注射生活の始まり

腰をおかしくしてからというもの しばらく仕事もできなくなり 介護からは離れる事にした だいぶ話は脱線したが ここからはじぃの注射生活に戻す事にする 午前中は仕事 午後からじぃ宅へ インスリン投与 それに加えて買い物 認知症を少しでも遅らせるために …

せんぱーーーい

異動命令が下され 違う部署に配属された ここは、異動が頻繁にあるようだった 理由は分からないが 流れに身を任せた ん? 人手やばくない? 今までで1番人手が足りないと感じた しかもそこにはサボり魔な先輩が存在した その先輩は綺麗でスタイルも良く 介護…

自分なりに

そんな日々の中でも良い事はあった 過去に働いていた特養とは比べて 比較的認知症の方が少ないせいか “ありがとう” と言われる事が多くなった それに介護に携われば携わるほど 利用者の方と親密感が増し 世間話もできるようになり 人生の先輩方と話す時間は …

有料老人ホーム

次に働いた有料老人ホームは 衛生面など完璧で 他のサービスも充実している 年間のイベント事も多く 飽きない仕組みとなっている ただ 仕事の内容が社員とパート関係なく 責任を負う事が多いように見受けられた 入浴介助などは 人手が足りない時は社員パート…

魅力

それから1年もたたないうちに 家の事情で止む無く 一旦仕事を辞める事になった 仕事最終日 予想もしない出来事が起きた スタッフや利用者の方に 最後の挨拶をし 帰ろうとしたその時 いつも私の事を認めてくれなかった 利用者の菊田さん その方は車椅子生活で…

脳死

私が初めて携わった場所は特養 (特別養護老人ホーム) 特養は介護級が最上級な利用者の方が多い 認知症や寝たきりの方が半分以上を占めていた その中でも 寝たきりな上に目も開けられず 話もできず食事もできない 利用者の方が何人かいた 脳死状態だ 私は日…

介護士を目指して

現場は私が思い描いていたものとは 全くもって違っていた 仕事として携わる前から 情報として知っていたのは 人手が足りないという事 それは確かだった しかしそれ以前に 現場は颯爽としていて まるで流れ作業のようだった あなたたちの心はどこへ行った? …

資格

そもそも介護職を志したきっかけは 20代もそこそこの頃、 ばぁは足腰を悪くしてしまい 少しだけ寝たきりになってしまった その時に言っていたのが "他で面倒みてもらう位なら死んだほうがマシだ" そんなに嫌なのね そして母方の祖母も 同じ時期に足が悪くな…

糖尿病予備軍

それから何度か病院に診察を受けに行くのだが、 じぃのQOLが著しく低下して 介護までいかなくても介助が必要な状態になった 食事の際は食べたものをポロポロこぼし トイレも便座を上げずに用を足そうとしたり 色々なものにぶつかっては出血し応急処置 そして…

じぃが倒れた

2018年夏 外は熱中症注意報が出てる中 じぃが倒れた 察しの通り 熱中症 急いで病院へ 今度は本家から車で北へ15分 「じぃ……」 病室のドアを開けると じぃはベッドに横たわりぐったりしていた そのそばにちさと車椅子に乗ったばぁ それと弟も先に来ていた …

忘れた

面白いこともっと沢山あったのに 思い出せない 悲しいかな 時が過ぎると 忘れてしまう 思い出したら書き足そうと思う

じぃの病歴

最初の方で じぃはカテーテルの手術をした事は 述べさせていただいたが 5.6年以上前からガンを宣告されて 抗ガン剤の治療を受けている しかもカテーテルの病院は 本家から東へ40分 抗ガン剤の病院は西へ40分 田舎なので 大きい病院は 少し車で遠出しない…

呼び出し

定期検診から数ヶ月後、 現場で仕事中にちさから電話 その日も病院で、思った以上に待ち時間が長引き、ちさは元々予定があったので引き継いでもらえないかとの連絡 父に許可を取り 仕事を切り上げて病院へ向かった ちさと少し世間話をして バトンタッチ 買い…

プチ介護の幕開け

 

あれは確か セミの鳴き声が聞こえ始めた夏の始まりの事 仕事で外回りを運転中、電話がなった いとこのちさからだった Bluetoothに繋いで電話に出た 「りん、今大丈夫?」 「仕事中だけど大丈夫。ちさどした?」 「ちょっと今じぃに頼まれて病院にいるんだけ…

今までは誰かのために生きてきたから これからは自分のために生きてみたい その前に 駆け抜けた日々を ちょっとした私の人生の一部を記したいと思う 私の名前はりん(外孫) 主な登場人物(全て仮) いとこ(内孫)→ちさ 祖父→じぃ 祖母→ばぁ うちの実家は新…