駆け抜けた日々

プチ介護 

脳死

 

 

 

私が初めて携わった場所は特養

特別養護老人ホーム

 

特養は介護級が最上級な利用者の方が多い

 

認知症や寝たきりの方が半分以上を占めていた

 

 

 

その中でも

寝たきりな上に目も開けられず

話もできず食事もできない

利用者の方が何人かいた

 

 

 

脳死状態だ

 

 

 

 

 

私は日々仕事に勤しむ中で、

 

もし自分が同じ立場だったら

 

これは幸せなのか?

 

ただ呼吸をするだけの1日に

 

意味があるのか?

 

 

そんな事を思わずにはいられなかった

 

 

 

 

 

その方の介護に携わるたびに

頭の中を駆け巡っていた

 

 

 

 

 

あまりにも衝撃的で

仕事を始めたばかりの頃は

ショック状態が続いた

 

 

 

 

沢田さんにもそれとなく話してみたが

分かった事が

 

 

その利用者の家族が

寝たきりになっても話せなくなっても

生きて欲しいと言っていたらしい

 

 

 

私は利用者の方の気持ちになってみた

 

 

 

まずベッドの上に寝て

 

動けない

 

話ができない

 

目も開かない

 

トイレも

 

お風呂も

 

自力ではできない

 

好きなものも食べられない

 

毎日経管栄養

 

毎日おむつ

 

毎日真っ暗

 

 

 

………………

 

 

 

これで幸せか?

 

 

生きてる意味があるのか?

 

 

 

 

 

その時は答えが見つからなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでもその方に心がなかったとしても

 

 

満足のいくサービスを心がけようと思った

 

 

 

 

 

 

 

そうしているうちに

 

 

 

 

 

自分達は介護をさせて頂いてるのだ

 

ありがたい事だ

 

勉強させて頂いてるのだと

 

自分なりに答えを導き出した

 

 

 

 

 

 

始めから見返りを求めている訳ではないが、

 

感謝しなければならないのは

 

こちらの方だった

 

 

 

 

 

 

 

この事に気付いて

ショック状態からだいぶ落ち着いたのだが

 

 

 

 

 

 

もし選ぶ権利があるのなら

 

自分の延命治療はお断りしたい

 

そう思わずにはいられなかった