駆け抜けた日々

プチ介護 

介護士を目指して

現場は私が思い描いていたものとは

全くもって違っていた

 

 

 

仕事として携わる前から

情報として知っていたのは

人手が足りないという事

 

 

 

 

それは確かだった

 

しかしそれ以前に

現場は颯爽としていて

まるで流れ作業のようだった

 

 

 

 

 

 

あなたたちの心はどこへ行った?

 

 

 

 

 

 

私が勤めた所だけなのかもしれないが

 

公の場では言えないような事が行われていた

 

施設長はそれを黙認し

 

なかったかのような扱い

 

 

 

 

 

胸が締め付けられるような思いだった

 

 

 

 

新人中の新人が口出しできる次元でもなく

ただただ目の前の仕事をこなすしかなかった

 

 

 

リーダーの圧力がすごいし

スタッフは殺伐としてるし

 

 

 

ここは一体どこ?

 

これは何?

 

 

 

 

他のスタッフに心の内を話してみると

 

 

 

「純粋な気持ちでここにきても痛い目に合うだけだよ」

 

 

 

 

って………

 

 

 

 

なにそれ?

 

 

 

 

 

現実とは厳しいもので、

介護士になりたくてなった人ばかりではなく

他の仕事がなくて仕方なく介護士を選んだ人もいた

 

給料だって正直満足のいく金額ではない

 

客観的に

こちらの命を削って

夜勤や宿直をこなしていく

 

 

私はパートだったので

社員スタッフを間近で見ていると

かなりのハードスケジュールで

体調管理も容易ではなさそうだった

 

 

 

大変なのはすごくよく分かる

 

 

 

しかしこの状態を変えるには

自分がトップになるしかないのだと悟り

今は経験を積む事を優先した

 

 

 

もちろん何度も辞めようとした

 

でもやめてまた同じ繰り返しなら

精神的に耐えられるまで頑張ろうって思った

 

 

 

 

 

 

それでも唯一救いだったのは

教育係の先輩が優しい人だった事

私よりも一回り位年上の少し天然系の

沢田さん

 

 

 

何でも優しく教えてくれて

性格もおおらか

それなのにベッドメイキングなど

仕事はテキパキこなす

 

 

先輩から学ぶ事は多々あった

毎日尊敬の眼差しで教育を受けた

 

 

 

 

 

教育係まで厳しかったらみんなすぐ辞めてる

 

 

 

 

 

 

 

自分がもし高齢者になって万が一施設に入る事になった場合間違いなく選びたいと思った

 

 

少なくとも健康体でいる事が一番幸せなんだと感じさせる日々だった