駆け抜けた日々

プチ介護 

初めての喧嘩

じぃは腕時計をなくしたらしく

腕時計を買いに行きたいと言ってきた

 

他の時計はないのか聞いてみると

 

最近100均で買った腕時計が

中々腕にハマらなくて

ハサミで切ったって

 

 

でたでた‼︎

 

 

時計がはまらないからってハサミで切るかい?

 

 

もう使えないじゃないですか

 

 

 

 

まぁ仕方ない

 

その日は車でじぃと2人で

いつもの商店街の時計屋さんに出かけた

 

 

時計屋さんに着く前に

値段はどれ位がいいのか聞いてみたら

そんなに高くなくていいと言っていた

 

 

 

いざ時計屋さんに着くと

接客態勢万全

 

その店の店主とその親夫婦

3人がじぃの相手をする

常連らしく慣れたもので

高い時計ばかり勧めてくる

 

じぃはその接客対応に押されてしまい

そこそこ高い腕時計を買うことに

なりそうになってしまった

 

そこで私は

見た目も性能も最低限の腕時計を推し

強引にひきとめた

 

そしたらじぃ

 

 

 

 

「黙ってればいいんだよ俺が決めるんだから」

 

 

 

 

…………

 

 

 

………………

 

 

 

カッチーン

 

 

 

あのさぁ

今抗ガン剤治療でどれ位

お金がかかってるか知ってます?

そしてその後入院とかになったら

さらにお金かかりますよ

こんな所で無駄な

お金使ってる場合じゃないんですよ

分かってます?

 

こちらの要望よりはるか高い商品ばかり

無駄に紹介してきて腹立つ

更にじぃが簡単に

口車に乗せられてるのを見て腹立つ

 

 

 

「車で待ってるからじぃが勝手に決めて」

 

 

 

勢いよく店を飛び出した

 

 

 

しばらく待つとじぃが帰ってきた

 

 

「ここの店はいつも高い時計ばかり勧めるの?悪いけど私はもうここには2度と来ないから」

 

 

 

態度がいつも横柄なじぃは

よそよそしくなって

私をなだめてきた

その姿を見て少し

可哀想になってきたので

すぐ仲直りした

 

 

 

今思えば

残りの人生を考えたら

少し位高い時計を買っても良かったかなと

 

 

 

完全に私のエゴだったと

振り返って気付いた