プチ介護の幕開け
あれは確か
セミの鳴き声が聞こえ始めた夏の始まりの事
仕事で外回りを運転中、電話がなった
いとこのちさからだった
Bluetoothに繋いで電話に出た
「りん、今大丈夫?」
「仕事中だけど大丈夫。ちさどした?」
「ちょっと今じぃに頼まれて病院にいるんだけど、来られる?」
「んーー親に聞いてみる」
私は親の自営業の仕事を手伝っているので
比較的自由がきく
しかもじぃやばぁの事と言えば
仕事中でもすぐに飛んでいける
3年前に母親が亡くなり、
今までは母がじぃばぁの世話をしていた
仕事も母が手伝っていたので
今は私が母の代わりだ
もう今は世話をする人がいないので
親戚一同できる人が協力し合う体制となっている。
すぐに親に電話をして
午前中で仕事を切り上げて
その足で1時間かけて病院へ
じぃは、その当時85歳
ばぁは、80歳
ちさはじぃに頼まれて
ばぁも連れて3人で病院に来ていた
じぃは杖で歩ける程度
ばぁは腰曲がりで
長時間歩けないので車椅子
なぜ私が呼ばれたかというと
まず福祉系の仕事に携わっていた時期がある
そして、じぃは超絶わがまま
1人じゃ手に負えないのでヘルプとして呼ばれた
悪口を言いたいわけではないが
事実を言うと
じぃは病院の待ち時間が長いと
周りが聞こえるように文句を言ったり
お手洗いもたまに迷ったりして行動が不安定
私がいる事で少しは安心という面もあったのかも
じぃは少し前に心筋梗塞の一歩手前の症状になり
カテーテルの手術をしたばかり
その定期検診に来ていた
私が病院に着いた時には
すでに待ち時間に疲れ切って
案の定、文句を言っていた
さちと一緒にじぃをなだめて診察を待った
この日は特に問題はなかったが
これがプチ介護の幕開けになった